アルス・ノヴァ
フランスのヴィトリが、14世紀初頭の音楽理論についてまとめ、「アルス・ノヴァ」として発表したことで、この時代の音楽はアルス・ノヴァといいます。
ノートル・ダム楽派の活動は、13世紀半ばで終了しますが、アルス・ノヴァが出現するまでの音楽は「アルス・アンティクワ」と呼ばれます。この時代に定量記譜法が進化を遂げ、モテトゥスといわれる新たな形式をした曲が盛んに作られました。
〈モテトゥス〉
多声音楽もどんどん発展していく時代に、定旋律の歌詞とは別に、定旋律の歌詞を説明する歌詞がさらに加えられます。この声部をモテトゥスと呼んだことで、そうした技法を用いた楽曲に対してもモテトゥスと呼ぶようになります。歌詞がフランス語で書かれるようになると、同時に違う国の言葉が歌われるという事態になりました。こうした流れから、世俗的な音楽性が高まってきます。
アルス・ノヴァの時代は、そうした変化を継いで、技法の変革も起こし、新たな音楽を生み出しています。作曲家は作品をつくるときに、ポリフォニー技法を使っています。この時代の代表的な作曲家ギョーム・ド・マショーも、ミサ曲全体にポリフォニー技法を用いて作曲しています。この時期は、そうした音楽がほとんどでした。
定量記譜法もさらに発展し、キリスト教の影響を受けて3拍子が正統派の音楽となっていましたが、2拍子の音楽が定番化していきます。
こうして、アルス・ノヴァ時代周辺の音楽は、世俗性の高いものになっていきました。